ベトナム中部の古都「フエ(Hue)」1601年建立の最古のお寺『ティエンムー寺(Thien Mu Pagoda)』。グエン王朝の祖先である広南朝の時代に建てられ、別名「天女の寺」とも呼ばれています。フエには100以上の寺が点在しますが、その中でも歴史を感じられるベトナム・フエの代表的な寺院です。
ベトナムの寺院巡りには鉄板の観光スポット。その歴史や特徴を知れば、実際にティエンムー寺に訪れた時もに、より深いものになるはず。本記事では『ティエンムー寺』について詳しくご紹介していきます。
ティエンムー寺~見どころ・歴史~
『ティエンムー寺(別名:リンムーパゴダ)』はフエ市の中心部から西に 5 km のキムロン区、トゥオン村のハクーの丘にあります。寺院正面には全長約67kmある旧市街と新市街を二分して流れる穏やかな川「フォーン川(香河)」が流れ、フエを訪れるならに見逃せない場所です。
伝え継がれている伝説では、広南朝の最初の皇帝グエン帝は、この場所で夜になると老婆が出てきて、村人たちに「この地にいずれ真の支配者がやってきて、塔を建てるだろう」と予言。
そして、16世紀に当時の皇帝グエンホアンがこの場所で村人から予言を聞き、「ティエンムー寺」を造営したことが始まり。後にその老婆は実は天女だったのではと噂されたことから、「天女の寺」とも呼ばれています。
美しい八角形で七層を持つ「慈仁塔」
3代ティエウチー帝が1845年造営した慈仁塔(トゥニャン塔)。七層八角形の仏塔はティンムー寺入り口の階段を上がってすぐの場所に位置し、高さは21メートル。
七層各階に仏像が安置、最上階には金色に輝く釈迦如来像。残念ながら塔の中には入れませんが、その大きさと歴史的価値は見どころです。こちらの塔はティエンムー寺の象徴するシンボルとなっています。
八角形七層の塔は仏教で悟りを意味する蓮を象徴しており、各階には仏像の坐像が安置され、最上部には釈迦如来像が安置されています。
ティエムー寺・本堂
本堂の大雄殿(ダイフン殿)。阮王朝の王室建築の影響を受けている本堂には1815年に鋳造された三尊仏が置かれています。
オースチンA95
寺院内に車がある?実はこちらもベトナムの歴史背景に深い関係があります。まだベトナムが南北に分かれていた当時、その当時南ベトナムのゴ・ディン・ジェム政権はキリスト教徒の数が多いことを理由に、仏教徒に非常に横暴な政策を行なっていました。
1963年6月11日にティエンムー寺の僧侶「ティック・クアン・ドック」は、サイゴン(現ホーチミン市)まで車に乗って行き、抗議の意味を込めて大衆の前で焼身自殺を決行。大きく燃え盛る炎の中でも絶命するまで姿勢を崩さない姿は世界中に放映され、当時多くの人々に衝撃を与えました。
ティッ・ドン・ハウの墓
アクセス・行き方
個人で「ティエンムー寺」に行く場合はフエ市街地なら寺院まで約5kmの位置にあるので、タクシーを利用しましょう。フエ駅(Ga Hue)であればタクシーで約10分。
ただフエの観光スポット巡りをするのであれば、何度もタクシーを探すのは大変。。流しのタクシーがいない場合もありますので、効率よく巡りたい場合はツアーに申し込むことをおすすめします。
寺院を訪れる時の注意事項
ベトナムの寺院は比較的にラフな服装でもOKなところも多いですが、寺院を訪れる時は短パンやミニスカート、ノースリーブなど過度に露出している衣服の着用は控えてください。
また、寺院は丘の上にあることから階段は少し急斜面にあり、歩いて巡ることから歩きやすい靴を履いて行ってくださいね。
ティエンムー寺の基本情報
スポット名 | ティエムー寺(リンムー寺)/Chùa Thiên Mụ/Thien Mu Pagoda |
住所 | Huế, Hương Hòa, Thành |
営業時間 | 05:30~17:30 |
拝観料 | 無料 |
注意事項 | 丈が短い服装(短パン、ミニスカートなど)、ノースリーブ禁止 |