東南アジアの中でも親日国として知られているベトナム。日本から飛行機で約6時間と気軽に行ける距離感や日本食の充実などから注目を集めています。
日本に住むことに不安を感じている方に魅力的に感じる海外移住ですが、特にベトナムの中で最も日本人在住者が多いホーチミン市では一概に全ての生活費が安いとは言えません。
そこで、本記事では駐在・移住をする前に必ず知っておきたいお金の話を中心に、ベトナム南部都市『ホーチミン移住~お金・物価の知っておきたい情報』をご紹介します。
※USDのレートは2023年1月28日の為替レートから算出しています
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目次
リアルを知りたい!ホーチミン生活でかかるお金の話
ベトナム、特に南部最大の商業都市ホーチミン市は最も日本人人口が多いとされています。ホーチミン市は日本食も充実していますし、日本人向けのサービスも多いことから「海外移住先としてホーチミン市も候補に入れているのですが、実際のところどうですか?」とお問い合わせいただくことも多いです。
生活や移住するにあたって気候や治安、日本人に住みやすい環境なのか、子供の学校についてなど様々な方面から知っておくことも大事です。今回は何にお金がどれくらいかかるのか、実は全部が安いわけじゃない生活費事情について詳しく解説していきます。
食費
【スーパー】
WIN MART(ウィンマート)やTops Mart(トップスマート)、Coop Mart(コープマート)などのローカルブランド。その他、輸入品中心のアンナムマーケット、韓国系のEmart、業務スーパーなど市内だけでも様々なタイプのスーパーがあります。
ローカルブランドを買うのであれば、日本より少しお安めではあるものの、野菜や生鮮食品については日本のスーパーと大きくは変わらないかと。
コンビニ
ファミマやミニストップなどホーチミン市には日系のコンビニが沢山進出しており、在住日本人が住むエリアを含み、市内に広く展開しています。販売されている商品は定番のもの・カテゴリーで分けるなら大きくは変わらないかと。
【コンビニ商品価格比較 ※日本の商品価格はファミリーマートの商品を参考】
商品 | 日本 | ホーチミン |
おにぎり | 125円~ | 12,000(約60円)~ |
サンドイッチ | 230円~ | 22.000ドン(約110円)~ |
カップ麺 | 150円~ | 15,000ドン(約80円)~ |
値段だけ見るとホーチミンのコンビニだけなら値段は安く感じますよね。ただ、正直日系でもほとんどのものがローカライズされているので(しょうがないとは分かっておりますがーー!!)日本と同じ味。。とは言い難いですが、在住者としてはコンビニの存在は本当に助かっています。
日本の輸入食品・製品
ホーチミン市では日本食が充実しており、そして日本の製品食材店も多いので生活には大きく不自由を感じません。ホーチミンに来てくれて生活している身としては本当にありがたい!!
ただ関税がかかるので当然ですが、日本の日用品や食料品など輸入する必要があるものは、日本で購入するよりも割高です。ベトナムで生産している日本の企業のものでも、ブランド化や販売数が違うからか日本で買うより高くなっています。ざっくり1,5倍~2倍くらいでしょうか。
毎食日本食にしたり(自炊ならある程度カバーできる)、日用品の多くをホーチミンで販売している日本の製品にしたりすると、日本で生活するよりも生活費が高くなる可能性もあるでしょう。
現地のものを食べていれば食費は抑えられますが、毎食ずっとは日本人としてなかなか辛いものがありますよね。自分の生活スタイルや懐事情を考えてバランスを楽しみながら生活していきましょう。
ホーチミンで買える日本製品・食材・惣菜店まとめ【エリア別】
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住居
アパート・コンドミニアム
今回は主に日本人が多く住むエリア・住居について解説します。在住日本人の住居は単身者向けのサービスアパート、もしくはファミリー向けのコンドミニアムのタイプに分かれることが多いと思います。
例えば、在住日本人が多く住むコンドミニアム「Vinhomes(ヴィンホーム)」の場合
1LDK:月 850~900ドル(110,000~117,000円)
2LDK:月 1,300~1,800ドル(169,000~234,000円)
3LDK:月 1,600~2,200ドル(207,000~286,000円)
☆参照価格は日系不動産「アオザイハウジング」に掲載されているもの参考にしています
もちろん、その他在住日本人が多い1区やBinh Thanh区、7区、Thu Duc市(旧ホーチミン市2区)など広さや立地、アパートやサービスによって大きく違います。日本と比較はしにくいのですが。。一見家賃だけ見ると「ベトナムだからって安いわけではない?」と思われるかもしれません。
理由は様々ではあるものの、日本人が住む住居の多くは都心に近く、外国人が住居として利用できる(インボイスが発行されるなど)、スクールバスの停留所になっている、プールやジムなどの設備やサービスがついているなどが考えられます。
日本の都心で同レベルの住居を借りることを考えると、ホーチミン市は物価としてはお手頃価格かと思います。ただこちらも年々物価上昇傾向ではあるかなと。
☆ホーチミンでお部屋探し-賃貸物件相談~契約までを解説したブログはこちら
メイド・ベビーシッターサービス(ナニーさん)
外国人が住むアパート・コンドミニアムでは掃除や洗濯などのメイドサービスが含まれている所もあります。サービスがない住居でも、個別で雇うこともでき、日本で同類のサービスを利用するよりも価格は安く利用できます。
実際にナニーさんを雇われるホーチミン市在住ママさんたちに話を聞いてみると
人気のあるナニーさんの場合だと、1時間300,000ドン以上(1,500円)の場合もあり、経歴やスキルによっても異なります。
交通・移動費
現在ホーチミンシンでは配車アプリ(Grabなど)やタクシー、バイクタクシー、バスが主な交通手段となっています。例えばベトナムで有名な2大タクシー会社「VINASUN(ビナサン)」または「MAI LINH(マイリン)」2社とも初乗り料金は「10,000ドン~12,000ドン(約50円~60円)」。
株式会社日本タクシーのデータでは最初の1.178kmまで600円。タクシー会社によって多少違いはあれど、比較するとその安さは歴然。また、ホーチミン市は配車アプリも充実しており、利用するとポイントを貯められたり、割引が適応されたりと更にお得に利用できます。
【ホーチミン交通】知っておきたい5つの移動方法ガイド【料金・注意点】
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スマホ(SIM)通信費
ホーチミン市にはあらゆる場所・お店でwifiを無料で利用することができます。とは言え、やはり電話やwifiを繋げていない時にも利用できるようにSIMカード・携帯会社に登録が必要です。これは日本でも同じですね。
現地の大手通信会社「Mobifone(モビフォン)」や「Viettel(ベトテル)」などのキャリアショップでSIMカードを購入し、通信プランを選択します。ほとんどの場合が1ヶ月間100,000~200,000VND(500~1,000円)で十分に利用できます。
Mobifone(モビフォン) | vinaphone(ビナフォン) | VITTEL(ベトテル) | ||||
プラン名 | HD90 | HD120 | BIG90 | BIG120 | MIMAX90 | V120 |
料金 | 90,000ドン | 120,000ドン | 90,000ドン | 120,000ドン | 90,000ドン | 120,000ドン |
データ使用量 | 8GB/30日 | 10GB/30日 | 30GB | 60GB/30日 | 5GB/30日 | 60G/30日 |
(※2022年6月19日現在のモバイルデータプランです。よく更新されるので最新情報は通信会社のウェブサイトを確認してください)
日本の場合、MMD研究所「2021年12月通信サービスの料金と容量に関する実態調査」によると月の平均額が4,638円(通信+通話代の1人あたりの月額料金)。格安SIMを利用すればもう少し安くなりますが、それでもホーチミン市の通信費は破格の安さですよね!
☆ベトナムで携帯電話(スマホ)やSIMカードの購入・使い方ガイド
美容
マッサージ・スパ・ネイル
ホーチミン市内はローカルから韓国系、日系など様々なスパやネイルサロンをリーズナブルな価格で利用できます。もちろんサロンによって異なりますが、日本人にも人気のあるマッサージ・スパ「MIU MIU SPA」だとフットマッサージ70分:360,000ドン(日本円にして約1,800円)。
もちろん5つ星ホテルやハイエンドラインのスパは別ですが、比較的にリーズナブルに利用できるスパやサロンが多いですね。
ネイルの場合だとローカルサロンでは甘皮ケア・カット・ワンカラーで110,000~150,000ドン(約600円~800円)。ジェルネイルにするか、デザインをつけるかで値段は変わりますが、日本と比べるとリーズナブルな価格帯ですよね。
ホーチミン市内にあるお店であれば、簡単な英語が通じるところも多いです。また、日系のネイルサロンになると値段は上がりますが、それでも日本のネイルサロンの価格帯と比べると気軽に利用できるは女性にとって嬉しいポイント。
美容室
ホーチミン市にはローカル床屋、ローカル美容室、日系美容室などと選択肢は豊富です。日本の美容室(参照リンク)とホーチミン市の美容院でのカット料金で比較してみました。
カテゴリー | カット |
日本の美容室(平均相場) | 3,600円 |
青空・ローカル床屋 | 250~800円 |
ローカル美容室 | 1,000~4,000円(美容室により大きく異る) |
ホーチミン・日系美容室 | 2,000~4,000円 |
日本の美容室とホーチミンの日系美容室の価格帯は大きく違いはないかなと(※何度も言いますが、地域やお店によって違いはあります)。
私はホーチミン市にある日系美容室に通っていますが、カットの料金は800,000ドン(約4,000円)なので、日本で利用する美容室とそこまで大きな違いはありません。
現地の方が利用する青空床屋だと大体約50,000ドン(約250円)~。シンプルな髪型ならば、日本人でも男性は通っている人も結構います。ローカルの美容室も比較的に日系と比べると安めですが、品質や技術、言葉の問題があるかなと。。また、最近はハイエンドな美容室も増えているので日系と変わらないところも増えています。
個人的にはネイルやスパはローカルでもある程度自分の希望を伝えることはできますが(クオリティはその時によるけど...)美容室だとなかなか難しいものがあるので。海外にいながらも日本人の方にカットしてもらえるのはありがたい限り~
学費・教育費
学費(※駐在の場合は会社負担に賄われることもあり)
特にお子様連れで移住・生活するのであれば”学費”については調べておく必要があります。学校によって学費は異なるので、目安として参考にしてくださいね。
●日系幼稚園
・月額:約500USD(約65,000円)(※各幼稚園・週何回通うによっても異なります) その他、入園費・スクールバス・制服代etc
●日本人学校(小学校~中学校)
・月額:400USD(約52,000円) ・スクールバス使用料(150USD(約19,500円)/月) ・入学費(JHCC会員:500USD JHCC非会員:750USD):→参照リンク:ホーチミン日本人学校授業料等の一覧表
●インターナショナルスクール
月額:2,300USD~3,400USD(約299,000~442,000円) ※参照リンク:VNEXPRESS) その他、入学試験費用、入学費、バススクール、制服代など ※学費は学年ごとに上がっていきます
文部科学省が行った平成30年度の「子供の学習費調査」による公立小学校の学費は月,約27,000円、私立の場合は年間約134,000円(※どの地域の学校などにもよって異なります)。これと比較するとホーチミン市の学校は年々値上がり傾向ではあるので、学費が会社負担でない場合は十分に調べておく必要があります。
ざっくりの目安ではありますが、ベトナムだから安い、お子様連れで移住や生活をするのであれば、学費に関してはしっかりと調べておくことをおすすめします。
☆「2019年版ホーチミンで幼稚園・小学校・中学校に通わせるなら?」のアンケート結果
習い事(※種類により違いあり)
サッカーやバレエ、ピアノ、水泳、絵画教室など~ホーチミン市には日本人・外国人向けの習い事は定番のものであれば選択肢はあります。また、各家庭の方針によりますが、習い事をするご家庭も多いです。習い事を多く利用しているご家庭のお話では5~6つというところも少なくはなく。
日系だからというわけではないですが、月1万円くらいの習い事も。もちろん外国人向けのサービスであることや、プロを目指したい・受験に合格するためになど、本格的なものになればなるほど、費用がかかることは致し方ないかと。
ローカルだともちろん費用は抑えられますが、お子様や保護者がベトナム語で意思疎通できるレベルではないと厳しいです。
ただグループでフリーランスの先生に教えてもらう場合などは費用が安めなところもあるので、お子様の性格に合う習い事探しの際にはご参考に。
まとめ
ベトナム・ホーチミン市の生活費・物価事情についてご紹介しました。一緒くたにされがちに「日本より安い!」と紹介されがちですが、細かく分類してみると意外とこれは日本より!?なところもありますよね。収入や生活スタイル、会社からの補助などに合わせ、楽しいホーチミン生活を!
筆者は独身~結婚~子育ての13年間ホーチミンに住んでおり、特に子供連れはお金がかかることが多いなぁと思いますが、総合的にとても楽しく暮らしております。
海外移住・生活はメリットだけでなく、デメリットもあります。日本とは異なる環境も多いため、まずはホーチミン生活でかかるお金について、しっかり調べて検討しましょう。